兵庫県多可郡にある寿岳文庫に2018年5月10日、
黒谷和紙(京都府綾部市)と名塩和紙(兵庫県西宮市)美濃(岐阜県美濃市)の漉き手が集まりました。
目的は昭和12年からの寿岳氏の全国紙漉き村の調査の際に収集された和紙の解析です。
今より三世代前の和紙。古い文献や見本帖を見ながら、そして、漉き手独自の感覚を総動員させながら和紙を見ます。様々な意見や着眼点があり想像通り時間が飛ぶように過ぎていきました。
紙を漉く際に上手く紙床に伏せれない時(簀から濡れた和紙が綺麗に離れない時など)に空気が入ってしまうことがあり、そんな普段の表情をした取り繕わない和紙が寿岳氏の収集和紙の魅力。
その気泡のことを黒谷のおばちゃん達は「まー」と呼ぶそう。
そんな話をしている時、黒谷の林伸次さんが美濃の浦部さんに「…(気泡)入ります?」と小さな声で確認をしていて「入りますよお」という答えに安心の様相。
ベテランの漉き手同士のお茶目なやり取りです。
和紙の話は勿論大充実でしたが、普段はあまり会う事のない漉き手の交流の場ともなり、良い刺激の1日となりました。
人と人、時と時を繋ぐ寿岳氏の縁です。
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